高知編 その6 先生、以蔵を預かってください



高知城をひとまわりし、出ると時刻はまだ11時。
雨も降っているし、亀の墓への約束は2時だし…うーん…
などと考え込んでいると、高知城前の道に停まって客待ちをしていた
タクシーの運ちゃんが話し掛けてきました。
運ちゃん「どっから来たん?」
普段の私は人見知りが激しいので(笑)、適当に返答して逃げるのですが、
ここは高知。
高知の人人の優しさにすっかり惚れこんでいる私はにっこりと笑んで
私「新潟ですー」
と、愛想よく返答。
運ちゃん「遠いところからよう来やったねぇ。これからどがいするん?」
私「んー、考え中なんですけど…」
運ちゃん「ほいたら、五台山は行ったかね」
私「や、まだですけど、んー(気が乗らない)。武市半平太の生家に
  いきたいと思っているんですけど、なかなか行く手段がなくて」

運ちゃん「ほいたら、武市瑞山のトコ寄ったげるわ」
私「あ、2時に戻ってこられますか? 約束があるので…」
運ちゃん「平気、平気。ほいたら、五台山通って、ご飯食べて、

  武市瑞山んく(の家)寄って戻って来たげるわ。

  これで5000円にしといたげる。どう?」
私「おいちゃんに乗った!」
───かくして。私は意気揚揚とタクシーに乗り込んだのでした。

このコースで5000円は得なのか否か、ちょっと分からないのですが、
私にとっては日程の都合で(台風10号め…)武市先生の所へ行くのは
半ば諦めていたので、そこへいけるというだけで、もうお得感でいっぱいでした。

まず立ち寄ったのは五台山。
これは4日に桂浜に行く途中でバスで通った覚えがあります。
この展望台から高知を眺めた後、竹林寺へ。
竹林寺は正式には『五台山金色院(ごだいさん・こんじきいん)竹林寺』といいます。
四国八十八箇所めぐりのひとつで、第31番礼所にあたります。
お参りをした後、タクシーの運ちゃんオススメのご飯屋でお昼ご飯。
ここで食べたカツオのたたきがんまかった!!

さて、いよいよ武市先生の生家とお墓へ参ります。

武市先生の生家は今も人が住んでいらっしゃって、

中を見るのは難しいと思われます

───が、とにかく行ってみます。

すると突然吠えられる。

以蔵!?(笑)
犬の近くになにやら作業をしているおばあさんがいます。
おばあさんに声をかけて、中へと入ります。
こちらが、武市先生の御宅でッす!

当時の面影を感じさせます。
もっと、後ろの方も回ってみましょう。

武市先生は奥さんと二人、

ここで座って語り合っていたのかもしれません。

 

さて、隣は瑞山神社というものがありまして、

ここには武市先生のお墓もあります。

立派な鳥居があります。

大きく『武市半平太先生』の文字が見えます。

神社の内部はまるで田舎の無人駅のよう。
でも、引き戸を開けると…(引き戸って…)

立派な拝殿が!
手を合わせ、武市先生にあいさつをしました。

さて、神社の裏手に回ります。

階段を上っていくと…、
武市先生のお墓があります。

 

おふたりはとても仲の良い夫婦だったそうです。
心なしか、墓地の空気も和やかで、

居心地が良いような気がします。

そういえば、武市先生は以蔵の師です。
ここで陽光は武市先生にお願いしました。
「先生、

以蔵を預かってください」
───以蔵のお墓から連れてきた『何か』を先生に預けてやっとひと安心です。


武市先生、ありがとうございました。助かりました。